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金融センターの動きはOECDの脱税との闘いを後押し

 

12/03/2009 - 租税問題に関する透明性と情報共有の強化に向けた幾つかの金融センターのここ数週間の動きは、国際的な脱税撲滅の取り組みにとって歓迎すべき後押しとなっている、とアンヘル・グリアOECD事務総長は述べました。


多くの国・地域では、外国当局による税務調査への支援を妨げる協定を依然として維持していますが、一部の国・地域ではこの分野におけるOECD基準に沿った動きや発言が見られ、実際の進展がなされつつあることを示しています。


グリア事務総長が挙げた最近の動きには以下が含まれます。

  • シンガポールは、大多数のOECD諸国と数十カ国の非OECD諸国により合意されている透明性と情報共有に関する原則と基準を承認し、そのための法律を2009年年央までに整備すると発表。
  • 香港(中国)は、実効性のある情報交換に関するOECD基準を実施する協定について交渉できるようにする法案を2009年年央に提出すると発表。
  • アンドラは、租税情報交換協定の締結に前向きの姿勢を示し、2009年11月までに、租税目的のために厳格な銀行守秘義務を撤廃する方針を発表。
  • マン島はドイツとの租税情報交換協定に署名し、同様の協定を締結している国を13カ国へと増やした。
  • すでに米国との租税情報交換協定に署名しているリヒテンシュタインは、OECD基準を受け入れるとともに、あらゆる税務上の問題に関する実効性のある情報交換を規定する協定の交渉に前向きに取り組んでいく方針を発表。
  • ケイマン諸島は、2009年4月1日に北欧7カ国との租税情報交換協定に署名すると発表。これにより、ケイマン諸島が同様の協定を締結する国は8カ国へと増える。
  • G20首脳が昨年11月にワシントンで開かれたサミットでこの問題に関する国際協力を促進する決意を示したのち、適合性のある約20の二国間租税情報交換協定が各国間で署名されている。

グリア事務総長はこれらの動きを歓迎し、「脱税を助長する銀行の守秘義務に関する取り決めを悪用できないようにすることは、グローバル経済のより論争的な側面のひとつを取り除こうとするより幅広い動きの一環である」と指摘しています。さらに、「G20が透明性と情報交換の改善に向けた取り組みを支援していることは、先進国と途上国の双方にとってこの問題が重要であることを浮き彫りにしている」とも述べています。


情報への良好なアクセスは、各国の税法の実効的で公正な適用を確保するための前提条件です。この分野におけるOECD基準は、脱税が疑われるケースについて具体的な照会があった場合には、要請により税務当局間で情報交換する旨規定しています。OECD基準はいわゆる「証拠漁り」(fishing expedition)を禁止しており、交換される情報の機密保護が意図されています。

 

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