OECD-パリ、2016年11月22日
開発途上国が税務監査機関の能力強化を通じて国内での税収を強化する能力を拡大できるよう立案された国際的なプログラムは、重要な進展をもたらしました。
「国境なき税務調査官 (Tax Inspectors Without Borders, TIWB)」 プロジェクトは、2015年7月にOECDと国連開発計画(UNDP)が、開発途上国に蔓延する多国籍企業の租税回避に対処するための斬新な試みとして、また国連の持続可能な開発目標の資金調達への貢献として、始められたものです。
TIWBは、現在進行中の多国籍企業の監査に対する支援を要請する国々に、有能な税務の専門家を派遣しています。そのプロジェクトは歳入の健全化と地域の監査能力の向上に焦点を当てる一方で、税法遵守が必要だという強いメッセージを送っています。
アフリカ、アジアから南米まで、世界中の国々で行われた8つの試験的プロジェクトは、これまでに2億6000万米ドルを超える追加的税収を達成しました。その中には、ジンバブエでのTIWBの監査人によって挙げられた新たな税収1億米ドル超も含まれており、今後行われるプロジェクトが途方もない可能性を秘めていることが明らかになりました。
13のプロジェクトは、ボツワナ、コスタリカ、エチオピア、ジョージア、ガーナ、ジャマイカ、レソト、リベリア、マラウィ、ナイジェリア、ウガンダ、ザンビア、ジンバブエなど、世界各地で進められています。
様々な新プログラムが来年開始される予定です。その中には、コンゴ、エジプト、ウガンダ、カメルーン、ベトナムに新たに監査人を配置することも含まれており、2020年までに100を超える配置を目標としています。その中には、2017年にケニアの監査人をボツワナに配置するという、TIWBイニシアチブ初の南南協力プログラムも含まれています。
ジェームス・カランジャTIWB事務局長は、「開発途上国は、基本的な政府サービスのための資金となる国内資源を確保する上で深刻な課題を抱えており、多国籍企業がそれを悪化させる要因となっている。国境なき税務調査官プログラムは、徴税能力の構築が、あらゆる企業に公正に税を支払わせるという目標にとって、いかに成果を上げられるかを明らかにしている。」と述べました。
TIWBプロジェクトは現在、オランダ、スペイン、英国の歳入当局、アフリカ税務フォーラム(African Tax Administration Forum)、パリを拠点とするTIWB事務局を含む様々な機関の支援を受けています。TIWB事務局は、フルタイムまたは期限付きで専門家をあらゆるプログラムに派遣しています。
TIWB事務局は、監査補助の要請に適切な専門家を適合させるという、情報機関の役割をよりよく果たすために、そしてTIWBプロジェクトへの高まる需要を満たすために、専門家の登録の拡大に努めています。候補者に関する情報は、こちらのサイトに掲載しています。
国境なき税務調査官に関する情報は、本日公開される以下のウェブサイトに掲載しています。 www.tiwb.org
報道関係者のお問い合わせは、下記までお寄せください。
James Karanja (+33 1 4524 6416)、 または OECD パリ本部メディア課 (+33 1 45 24 97 00).
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